通史編近代産業経済(一)

 明治維新以降、日本の近代化が始動する頃は「鉄と石炭」の時代であった。わが福岡県は官営八幡製鉄所、筑豊、三池の両炭田を有し産業化の旗手としてその一翼を担ってきた。
 明治維新は前近代社会から近代社会への変革期であったが、福岡県における基礎構造の変容を産業経済の側面から明らかにすることが本書の意図するところである。
 編纂の時期は維新期から日露戦争後の頃までである。各分野における当該期の研究はほとんど進んでおらず、本格的な通史として編まれるのは本書が初めてである。
 明治前期、産業構造の中核であった農業の実態、工業県へと変貌していく過程での石炭、鉄道、金融の実情、県民の生活情況が記述される。