文化史料編盲僧・座頭

 福岡県を発祥の地とする筑前琵琶の源流が盲僧琵琶であることはよく知られている。古来、盲僧は琵琶を弾きながら経典を読誦し、檀家を回って地神祭りや荒神祓いをおこなう一方、「くずれ」と呼ばれる語り物を語るなど、呪術と芸能が未分化な状態を保持しつつ活躍してきた。盲僧と座頭にかかわりのあった県内各地の寺社や旧盲僧坊には、そうした活躍のあとを示す貴重な史料が残されている。
 本巻には、支配寺であった京都青蓮院所蔵の「華頂要略附録 三十六」をはじめとして、一丸家文書、新有馬文書、橋口家文書、観音寺文書、感応院文書、宝聚寺文書、藤原家文書、下黒田宿神堂文書、長谷川家文書、大庭家文書等、近世・近代史料63点を収録した。付録として国武家文書の「くずれ」台本2本と解説を加えた。
 盲僧が継承してきた独自の地域文化を見直し、広く盲人問題の歴史的研究のための好資料を提供するものである。