文化史料編筑前高取焼

 江戸時代に筑前鷹取山山麓の一帯で焼かれた高取焼は、江戸時代を通じて高い評価を得て、茶陶の窯として広く知られていた。近年の内ヶ磯窯の発掘は、それまで唐津焼とされていた作品の多くが内ヶ磯窯で焼かれた高取焼であることを明らかにした。これは伝世の作品の所属を変えただけでなく、高取焼そのものに対する評価を変えるものでもあった。ついで調査がおこなわれた永満寺宅間窯は、日常の器である作品が多く、素朴で力強く、いかにも桃山時代の窯である。また白旗山窯の出土品からは造形の美の追求から多彩な釉薬による瀟洒な作品へと変化しているのをみることができる。
 本巻は高取焼についての全般的な解説を付し、伝世品について、上記の窯のほか、山田・小石原鼓・大鋸谷・東皿山の各窯ごとに作品をカラー図版で収録し、解説を加えたものである。高取焼研究簡史、高取古窯址地図、年表を付し、巻末には英文の解説を加える。