細川小倉藩(一)〜(三)

 近世初頭の小倉藩主細川忠利家中の「日帳」・「覚書」を収録。この記録は元和・寛永期の惣奉行を主体とした藩政機構の中枢の日記で、当主忠利、隠居の父三斎忠興や親類・家老の動静。将軍家をはじめ、親近の諸大名との交際、音信贈答。佳例の年中行事、家中の動向。戦時に備えた絶えざる城郭の営繕、武具の整備。参勤・財政に必須の瀬戸内海・北前・長崎等往返のための大小船の新造・修繕、多数の船頭・水夫の管掌運営。領内検地・格付。所領・扶持の宛行、加増・改易。郡奉行による地方支配、年貢米等の免の増減・徴収、売買・算用。城下町人の生活。領内一円の警察、刑罸。試斬。全てを決裁する家老・諸奉行による惣談、忠利の親裁ぶり。先代三斎と当代との微妙な関係は、先駆的な目安箱の設置とその対処方にもあらわれている。当時盛んな金山の試掘、精錬、経営は佐竹秋田藩のそれに対応する貴重なものである。
 全冊を通じて、庄屋仕立てが巨大化したといわれる大名家政=藩政に、箍(たが)をはめる徹底した二人奉行(相使)制と常につけられる横目の監察が如実に感じられる。
 第一巻には「日帳」(寛永元〈1624〉年8月〜同5年5月)、第二巻には同じく「日帳」(寛永5年6月〜同7年6月)、第三巻には「日帳」(寛永7年8月〜同8年11月)、続いて同類の「覚書」(元和9年5月〜同10年4月)を収録した。