筑豊興業鉄道(一)(二)

 筑豊興業鉄道は、筑豊炭田の石炭を積出港である若松まで輸送することを目的として設立された、明治期の代表的な産業鉄道のひとつである。明治24年にまず若松・直方問が開通し、その後筑豊各地へとその路線を延長した。明治30年に九州鉄道と合併したため、筑豊興業鉄道会社は創立から10年、開業からは6年と非常に短命な鉄道会社ではあったが、この鉄道の建設により、筑豊の石炭輸送の中心は、限界を迎えつつあった遠賀川の水運から鉄道へと移った。筑豊は石炭輸送問題を克服したことによって、わが国最大の産炭地となり、北部九州の発展をささえてきたのである。
 (一)では同社の定款および明治30年に九州鉄道会社と合併するまでの冬期の営業報告書と株主名簿を収録した。(二)には会社史料として重役会決議録、株主総会関係史料、および政府の許認可関係文書を収録している。