近代史料編農務誌・漁業誌

 明治11年から12年にかけて、福岡県は漁業・農業の実態調査をおこない、筑前・筑後・豊前の農法・漁法の慣行を調査し、農具を広く蒐集し、勧業行政の施策に反映させようとした。
 「農務誌」と「漁業誌」は、その結果として編まれたものである。「農務誌」はその付図、「漁業誌」は稿本および付図・付録(魚介類)が遺されている。本巻はそれらを復刻したものである。さらに本巻には、当時の農業・漁業の姿を伝えるものとして県内各地に残されている農耕・漁撈に関する絵馬を収録した。これらの付図・付録や絵馬は、多色刷りを多く用いて、できる限り原史料の姿を忠実に再現するようにつとめた。
 戦後の日本の農業・漁業は大きく変貌を遂げてきた。さらに大きな転換期を迎えようとしている現在、これらの史料のもつ意義はこれまで以上に大きなものになっている。