近世史料編福岡藩御用帳(一)・(二)

 福岡藩では、18世紀初頭に藩政中枢の記録体系を整備し、藩主および藩主の家政にかかわる事項(御勤筋)と、領内の行政事項(御政治筋)とに分けて記録を作成する体制を確立した。御用帳は、そのうち御政治筋にかかわる家老の裁許を記録した史料である。明和元年からは、さらに家中・町郡浦・寺社それぞれの御用帳を作成するようになり、その各々の記事を分類・編集し、記録の利用に備えた。『福岡県史資料』に収録されている各「役所定」や「御仕立炭山定」を編集する材料にもなった藩政の基本史料である。
 残念ながら、その大部分は戦災で焼失してしまったが、焼失を免れた一部分が福岡県立図書館所蔵黒田文書の中に残っている。この2巻には、その中から宝永元年から同7年、安永10年から天明8年、天明2年、天明6年、天明8年、寛政元年から同9年の町郡浦御用帳を収録した。