近世史料編福岡藩町方(一)(二)

 本史料集は、中世からの商都博多の商家経営を知るうえで好個の史料である嶋井文書(300余点)と瀬戸文書(約500点)をおさめた。両家は博多の町家であり、嶋井家は戦国期から幕藩体制初期にかけて全盛期を迎え、いっぽうの瀬戸家は、藩政中期以降に栄えた商家であった。
 第一巻には嶋井文書(嶋井家所蔵)のうち、秀吉の朱印状をはじめとする書状類、嶋井宗室関係の遺訓・年譜・由緒書、博多糸割符関係文書をおさめた。瀬戸文書は町奉行書付、由緒書、系譜、福岡藩の長崎警護のための石火矢地銅に関する史料(瀬戸家所蔵)、博多の町方史料、および同家の商工業に関する史料(九州大学経済学部所蔵)をおさめた。なお、嶋井文書に残る欧文文書には翻訳を付している。
 第二巻には、嶋井文書のうち日用仕組や家督相続関係、町役所の達類等の史料を、また瀬戸文書からは証文類をおさめた。